経済の諸状況 | 経済状況を 判断する目安 | 為替レートへの影響の見方 | |
国際収支 | 貿易収支 | 一定期間に取り交わされた外国との物品の輸出入の収支。 輸出から輸入を引いてプラスなら黒字、マイナスなら赤字になります。 |
|
米国の貿易赤字縮小→ドルの上昇 | 米国の貿易赤字拡大→ドルの下落 | ||
経済成長率 | GDP
(国内総生産) |
一定期間内に生産された完成品の価格をすべて集計し合算したもの。GDPは国の経済成長率を表す指標で、景気の強弱や輸出入の増減を見ることができます。 | |
GDPの伸び率が高い→好景気→消費の拡大→為替レート上昇 | GDPの伸び率が低い→景気の減速→消費の減退→為替レート下落 | ||
失業率 | 雇用統計 | 失業率(労働人口に占める失業者の割合)を基にいろいろな要素を合わせた統計で、景気動向を判断する材料に使われます。消費意欲が回復すれば企業は生産を増やし労働力が必要となるので失業率は減少、逆に消費意欲が冷え込むと労働力を減らし生産などの調整するため雇用情勢が悪化し失業率は上昇します。 | |
失業率の上昇→雇用情勢の悪化→景気後退→金融緩和→金利低下→為替レートの下落 | 失業率の低下→雇用情勢の改善→景気回復→金融引締め→金利上昇→為替レートの上昇 | ||
物価 | 卸売物価 (WPI) |
これらを基に物価の変動動向を知ることができる重要な指数です。 | |
物価の上昇→インフレ圧力の懸念→金融引締め→為替レートの上昇 | 物価の下落→デフレ圧力の懸念→金融緩和→為替レートの下落 | ||
金利政策 | 日銀政策決定会合FOMC (米連邦公開市場委員会) |
ドル/円のペア通貨で見ると、日米2国間の金利差により為替が変動します。ドル金利が上昇すればドルの需要が増えるため、ドルが買われ円が売られます。金利が下落するとドルが売られ円が買われます。通常、金利が高い方に資金がシフトするのが一般的な流れですが、経済的・政治的意味での開発途上国の場合は、高金利であるからといって自国の為替レートが上昇することはありません。なぜなら、レートの切り下げ(高インフレに伴って)や政情不安によるリスクを回避するため、資産はより安全な通貨へシフトするからです。 | |
金利が上昇→資本・資産の流入→為替レートの上昇 | 金利が下落→資本・資産の流出→為替レートの下落 |
実際問題としては、現在では経済・財政・政治などが複雑化しており単純に経済指数の増減や金利の上下で図のように為替レートが上昇したり下落したりするわけでは必ずしもありません。為替が動くにはいろいろな複雑な要因があります。ファンダメンタルズはその中の1つであり1つの判断材料であると考えて下さい。
最終更新日:2019/3/12